2025.12.02原発再稼働「信を問う」県議会が開会:劣勢の野党はどう対抗?22日に採決【新潟】
4日から代表質問が始まり論戦が本格化
花角知事が「信を問う」場に選んだ県議会が始まりました。柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角知事による関連予算案を審議する12月県議会が、12月2日開会しました。『予算案の可決』つまり再稼働容認は確実の情勢ですが、原発の安全対策から知事の政治姿勢まで幅広いテーマで論戦が予想されます。
花角知事が「信を問う」場として選んだ県議会。初日は自身の決意を述べました。
■花角英世知事
「東京電力柏崎刈羽原子力発電所6・7号炉の再稼働の方針への理解要請については、原発の必要性等の県民理解の促進・施設の安全性の向上などに関し、国の対応を確認したうえで新潟県は了解することとする判断を先月21日に行った。」
県民の意思を確認する方法については-
■花角英世知事
「この判断を行ったこと、この判断に沿って今後 知事の職務を続けることについて、県議会の信任を得られるか、または不信任とされるのか判断を仰ぎたい。」
県民意識調査で、若者世代が他の世代より再稼働に肯定的だったことなどを強調。
そのうえで-
■花角英世知事
「新潟県民にとって、柏崎刈羽原子力発電所とどう向き合うかは長年の大きな課題。県民のなかで賛否は分かれているものと思われるが、正確な情報の提供等、安全・防災対策の周知を継続して行うことで再稼働に対する理解が広がっていくものと判断した。」
幕を開けた12月県議会。
知事は「信任・不信任の問い方は議会に任せる」との立場ですが、知事が県議会に提出した再稼働後の広報費用約3100万円の予算案が可決されれば「信任」となります。
各会派は、この〝踏み絵〟にどう応じるのか。
知事を全面的に支える立場の自民党は-
■自民党県連 岩村良一幹事長
「熟議の上、議論を深めて結論を出していきたい。(Q.予算案も賛同する?)賛同(賛成)する方向だ。」
他に賛成なのは、公明党と真政にいがたの3会派。過半数を大きく上回るため『可決』は確実の情勢ですが、さらに自民党は賛同する趣旨の付帯決議などによって知事の判断に『お墨付き』を与えたい考えです。
すでに勝負がついているなか、野党はどう臨むのか。
■リベラル新潟 小泉勝幹事長
「広報費の3000万円の部分は、我々 納得いかないところ。そこについては我々きちんとノーと言っていきたい。ただ、あの補正予算を通したから『県民に信を問うた』ということにはイコールにはできない。」
■未来にいがた 大渕健代表
「(予算案の形で)議案として諮っているわけでしょ。信任・不信任は議案で問えません。信任・不信任を問いたいんだったら議案じゃないでしょ。自民党みたいに事前に打ち合わせしているのかどうか分からないが、そんなことするなら議会いらないじゃないですか。開く必要ないじゃないですか。」
知事選で掲げてきた「信を問う」発言との整合性を問うことで、来年の県知事選を見据えた世論形成を図る作戦です。
2日の知事は、最後にこう締めくくりました。
■花角英世知事
「再稼働に不安を感じる県民の思いを重く受け止めつつ、知事の職務を続けることについて県議会の信任が得られたならば、立地地域 さらには県全体の経済社会の活性化と共に、県民の安全・安心の向上に最大限努力していく。」
12月県議会は4日から代表質問が始まり、論戦が本格化します。
その後、委員会での審議を経て22日の本会議で採決を迎えます。