2025.06.26新たに8校統合、募集停止も・・・今後も再編加速へ 止まらない少子化「県立高校の再編」【新潟】
新たに8校の統合(4校減)を公表
県教育委員会は、生徒数の減少などをうけて進める『県立高校の再編』について、具体的な計画を公表しました。今後4年間で新たに8校を統合するほか、募集停止となる学校も示されました。
県は3月に県立高校の将来構想を策定し、今年度から10年間で県立高校を現在の86校から22校減らし、64校にする方針を決定。定時制と通信制の垣根を越え、遠隔教育の活用などで生徒が自分で学びの方法や場所を選択できる『セルフデザインハイスクール』や、産業界をリードする人材育成のため農業・商業・工業など複数の専門学科を併せ持つ『産業高校』を設置するとしてきました。
県教育委員会は、26日の県議会・総務文教委員会で将来構想に基づく“今後4年間の具体的な再編計画”を公表。新たに県立高校8校の統合を明らかにしました。
まず、2028年度に「村上」と「村上中等教育学校」を統合。村上の校舎を使用し、新たな中高一貫校となります。
同じ年、長岡市の「長岡明徳」、上越市の「高田南城」が『セルフデザインハイスクール』に。
同時に「正徳館」を「長岡明徳」と統合し、長岡明徳の夜間部が募集停止となります。
2029年度には、「新潟翠江」と「新潟向陽」を統合。新潟翠江の通信課程を新潟向陽に移管し、全日制と通信制を併用した『セルフデザインハイスクール』とします。
さらに、「新潟県央工業」と「三条商業:を統合し、工業科と商業科を持つ『産業高校』とします。
直近では、南魚沼市の「国際情報」が2027年度に募集を停止。数学や理科など指定の授業を英語で行う『ケンブリッジ国際教育プログラム』を導入し、全日制の『国際フロンティア高校(仮称)』とします。このプログラムを導入している学校は全国で20校あまりありますが、公立の高校では全国で初めてです。
歯止めがかからない少子化-
厚労省が6月に発表したデータでは、2024年1年間の県内の出生数は初めて1万人を割り込み、合計特殊出生率は過去最低の1.14。太田教育長は、再編・統合の必要性を強調しました。
■県 太田勇二教育長
「今年春に中学を卒業した人数が1万8000人。15年後には半減するのではないかという〝危機的な状況〟。」
子どもたちの教育や生活環境に直結する問題とあって、県議からも懸念の声が上がりました。
■自民党 高橋直揮県議
「少子化が進むのは仕方のない話だが、実際に廃校になるのは地域的には問題。」
■未来にいがた 大渕健県議
「生徒が求める教育環境を提供もあわせて、スピード感をもってやらないといけない。」
県は今後さらなる再編を進める方針で、26日に示された計画ではこの春の時点で、募集が『1学級』か『2学級』の小規模校については志願状況や地域の事情を踏まえて検討するとしていて、県教育委員会は「あえて存続させる小規模校もあり得る」と説明。将来的な小規模化が見込まれる現在『3学級』募集の学校については、産業高校設置のほか、普通科高校との統合も含め検討されます。
■県 太田勇二教育長
「今後の検討が必要な主な学校について示した。危機感とスピード感をもって取り組む気持ちのあらわれと理解してもらえれば。」
また、教育委員会によると6月1日時点での教員の未配置について、小・中学校で63人、県立高校で15人と説明し、教員の確保も喫緊の課題です。