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2024.04.26景勝地・笹川流れで70年余り続く観光汽船 根強いファンがいる地域資源活かす2代目の取り組み【この町で~愛される老舗~|新潟・村上市】

景勝地・笹川流れで70年余り続く観光汽船 根強いファンがいる地域資源活かす2代目の取り組み【この町で~愛される老舗~|新潟・村上市】
1952年から運航している”笹川流れ観光汽船”
1952年から運航している”笹川流れ観光汽船”。ピーク時は年間4万人以上が利用するなど、多くの観光客を迎えてきました。
■富山詠美アナウンサー
「村上市にやってきました!村上市にある県内有数の景勝地といえば”笹川流れ”。その名所と観光客を長年繋いできたのが、この観光汽船です。」

この船を守るのが2代目の渡辺美紀子さんです。事業を始めたのは、先代の父・英太郎さん。最初は木造の小さな船だったそうです。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「(父が)漁業をやっていて、7・8月の禁漁期間に漁船を改造して茣蓙を敷いて屋形船みたいな形で、汽車で来られたお客さんを改造した漁船で案内したのが始まり。」

1970年代~80年代になると高速道路が整備され、観光客の数が増加。春から秋まで楽しめる観光資源として人気を集めました。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「これで5代目になったが、今年で71年目ということで非常に歴史があることになってしまって・・・」

3月から今シーズンの運航が始まった「5代目・おばこ丸」に乗船です。
■富山詠美アナウンサー
「あの山間に桜の木がみえますね!散り始めかもしれませんがこの距離でもはっきり淡いピンク色がみえる!」

約11kmの海岸線「笹川流れ」を40分で巡る旅。四季折々の風景を楽しむことができます。
■船長の案内
「右手前方には斜めに穴のあいた凸凹の岩が見えておりますが、大きな恐竜が海の中へ首を伸ばして海水をぐっと吸い上げた姿に似ていることからこれを『恐竜岩』と名付けたのであります。」
■富山詠美アナウンサー
「ちょうど松の木が生えているあたりが、恐竜のこぶのようにみえます!この景色は海の上からでないとみられない・・・」

県外からの観光客も多く、宮城県から初めて訪れたという人も。
■観光客
「13年前の東日本大震災で大変な思いをしたから、(能登半島地震を受けて)いくらかでも使ったお金が新潟の復興の足しになればなと。本当に些細なものだけれど気持ちだけと思って来た。」
「日本海は(太平洋側と)波の高さも違うから、よかったかな。」

1988年には、待合所を兼ねた売店「笹川流れ観光汽船地魚処『天ぴ屋』」を開店。地元で獲れた旬の魚をその場で加工して販売しています。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「ほうぼうに似ている魚で”カナガシラ”のお刺身をつくっている。昔からこの地域ではなじみのある魚ですね~。」
「地域資源はめぐみなので、それを活用してあるものを生かすという取り組みをしている。」

なかでも”干物”は1番の人気商品。潮風と天日をたっぷり吸収させるのがこだわりです。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「これ”カナガシラ”ね。全部食べちゃって!」
■富山詠美アナウンサー
「香ばしい!干物だと塩気が強いのかと思っていたが甘みも残っている」
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「昔は塩辛かったがいまは健康志向であまり塩分は強くしていない。」
■富山詠美アナウンサー
「柔らかさもあって食べやすいですね~。」
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「カリカリになるまでは干しあげないのでね。」
「数がそろわないと市場に出せなかったり、出しても売れなかったりする魚を、地元では業界用語で「なし」という。鮮度がよいのに、ただ型や数がそろわないだけで売れないのだろうと。そういう魚を私たちが買い取ってちょっとした工夫をすることでお客さんが喜んでくれて「おいしい」と言ってくれる取り組みができたら・・三方良しの考え方。」

根強いファンが天ぴ屋の味を求めて訪れます。
■新潟市からの常連
「冷蔵庫が空になると魚を買いに・・町で売っているものと味が違う。味が濃いというか・・(おいしくて新潟市から買いに来る。)わざわざ2時間かけて来るだけの価値がある。」
■山形からの常連
「天ぴ屋さんの食べ物が好きで、お母さんがきさくで良い方なのでほぼほぼ毎年絶対来る。色々なものが置いてあるので好きなように食べられるところが気に入っている。」

美紀子さんが店を継いだのは36歳のとき。20代の頃から手伝い、看板夫婦と親しまれた両親の姿をみてきました。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「(当時は)民宿経営もしていたので、接客業は生まれたときから身についていて、いつかはやるんだなと思っていた。」

社長に就任した2004年、ある試練に直面します。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「8mの波が、国道345号線の港に降りられる道路の辺りまで来て建物が全部洗われてしまったので、商品も機材も流されてしまったと。」

大型低気圧と満潮が重なったことで、高潮が発生。売店は壊滅的な被害を受けました。それでも美紀子さんは、迷わず再建を決めました。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「笹川流れという素晴らしい地域資源がある限りは必ず大丈夫だと母も常々言っていたし、父も同じ思いでいたので使命感・・・ここを盛り上げていくためにはなんとかやるしかないとそれだけですね。」

3年後の2027年、笹川流れは国の名勝・天然記念物に指定されてから100年の節目を迎えます。
■”笹川流れ観光汽船”2代目 渡辺美紀子さん
「次世代に繋いでいく役割を担っていかなければいけない。この景観もそうだし素晴らしい食の宝庫なので、笹川流れを全国・世界に発信していけたらなと思ってます、ちょっと大きいですけど(笑)」
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