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2025年08月22日(金)本日の番組表

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2025.08.20水俣病に関する誤った教材を約10年間使用、トライ社員が新潟水俣病の現地研修【新潟】

水俣病に関する誤った教材を約10年間使用、トライ社員が新潟水俣病の現地研修【新潟】
新たな教材を2~3カ月後をめどに仕上げる
「家庭教師のトライ」などを運営するトライグループが「水俣病は遺伝する」と誤った内容の動画を授業で使っていた問題で、トライの社員が新潟水俣病が発生した阿賀町で研修を行い、患者らの生の声を聞きました。今後2~3カ月をめどに適切な内容の教材を制作する予定です。

午前11時、阿賀町を訪れたトライグループの執行役員と教材制作の担当者たち。

■新潟水俣病共闘会議 高野秀男幹事長
「ここが旧昭和電工・鹿瀬工場です。」

発端は、トライグループが使用していた教材の内容。中学校社会科の動画で「水俣病は遺伝する」との誤った表現を、10年近く配信していました。

■花角英世知事
「非常に遺憾ですよね。あってはならない事案ですよね。」

トライは「差別や偏見につながりかねない誤りだった」として動画を非公開にしたうえで、被害者団体に直接謝罪しました。

■トライグループ 阿部正純執行役員
「動画撮影においてあってはならない表現があり、動画チェックのプロセスでチェックの重大な見落としがあった。」

■新潟水俣病被害者の会 小武節子会長
「(語り部など)今までしてきたことが、水の泡みたいで悲しくてなりません。これからも二度とないように気をつけてほしい。」

トライは、再発防止策として水俣病の理解を深める社員向けの研修を始めるとしていましたが、20日はその一環で新潟水俣病が発生した阿賀町の現場を訪問しました。

■新潟水俣病共闘会議 高野秀男幹事長
「ここで水俣病の原因物質であるメチル水銀の垂れ流しが行われたのが、昭和11年から昭和40年まで。」

裁判で使われた資料などを用い、原因物質が作られた経緯などの説明を受けました。

■新潟水俣病共闘会議 高野秀男幹事長
「熊本できちんと手を打っていれば、新潟で第2の水俣病は起こらなかった。教材を使うときにそういうことが繰り返されないためにどうするか。公害事件から学ぶ大きな教訓だと思う。」

工場の排水口では、数年前にも水銀の基準値を超える魚が見つかったことなどが伝えられました。

■トライグループ 阿部正純執行役員
「排水口は1カ所だけなのか、複数箇所あるのか。」

■新潟水俣病共闘会議 高野秀男幹事長
「工場の排水口はすべてここに集中している。一度自然環境が汚染すると、元に戻るまでは異常な時間がかかることをきちんと受け止める必要がある。」


新潟水俣病の患者で国と原因企業に対する訴訟で原告団長を務める、皆川栄一さん。案内したのは阿賀野川です。自身を含め、メチル水銀を含む川魚を食べた多くの人が水俣病の症状に苦しめられたことを伝えました。

■トライグループ 阿部正純執行役員
「資料などを拝見して知りえた情報でこれまで教材を制作してきた。現地の生の声を聞くことで生かせると思うので、大事にしていきたい。」

■新潟水俣病訴訟 皆川栄一原告団長
「これからの未来をつなぐ子どもたちに、正直に現実を伝えてほしい。私たちがこの地域に生まれ育った環境も理解してもらったと思う。」

被害者団体は、社員向けの研修会への語り部の参加を要望してきました。20日は、語り部の一人で自身も患者認定を受けている曽我浩さんが14人のトライ社員に語りました。

■新潟水俣病阿賀野患者会 曽我浩会長代行
「水俣病が治ったという話は聞いたことがない。私たちのような患者を生まないためにも、正しい教育をしてほしい。」

資料館を案内した藤田館長は、最後にこう強調しました。

■環境と人間のふれあい館 藤田伸一館長
「遺伝ではなく、食中毒。食べ物を経由してメチル水銀が回ってきた。」

■トライグループ 阿部正純執行役員
「我々として大事なのは、子どもたちの教材としてわかりやすく伝える上で、本日いただいた情報・知識をしっかり生かしていくこと。」

トライグループは、水俣病に関する新たな教材を2~3カ月後をめどに仕上げるとしています。
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