2025.10.22目撃者が緊迫の状況語る:クマと3時間にわたるにらみ合い…県内初の「緊急銃猟」【新潟・魚沼市】
危ないから出ないでくれという放送も
21日、魚沼市の市街地にクマが出没し、県内で初めて『緊急銃猟』によって駆除されました。近隣の住民や現場で対応に当たった職員が、緊迫した状況を語りました。
21日午前9時すぎ、魚沼市古新田で「林の中にクマがいる」と住民から警察に通報があり、付近で目撃情報が相次ぎました。
■現場近くの住民
「うちの人がクマが飛んで、そこ(やぶ)に入ったのを2階の窓から見たと聞いた。」
住宅などが並び、付近には小学校や中学校もある地域。
警察や魚沼市・地元の猟友会などが現場に駆けつけると、やぶの中で体長約75cmのクマを発見しました。
■魚沼市生活環境課 森山豪雪係長
「違うところに出ていかないかを見ながらっていう時間帯が長く続いた。」
やぶと川を行き来するクマ。警察や猟友会などがそれを取り囲み、約3時間にわたりにらみ合いが続きます。
近くの住民たちにも緊張が走りました。
■現場近くの住民
「消防車とかパトカーとか警察がいっぱいいて、私たちもちょっとなんか気にしながら外を見たり、どうなったのかしらと思いながらずっと見ていた。」
■現場近くの住民
「クマが通った跡なんですよ。あっちの隅からこっちの隅、危ないから出ないでくれという放送がありました。」
クマの出没から約4時間-
市と警察が協議し、県内初となる【緊急銃猟】の検討に入ります。
■魚沼市生活環境課 森山豪雪係長
「そのまま放置しておけば、すぐに山に帰っていけるような状況でもない。戻っていく方向が市街地になってしまうというところで、そのままにしておけない緊急性が高いという判断。」
【緊急銃猟】は9月から始まった制度です。
現場で警察の許可がなくても自治体の判断で猟銃により駆除ができますが、『場所・緊急性・方法・安全制の確保』の4つの条件があります。
■魚沼市生活環境課 森山豪雪係長
「崖地の方に向かって発砲したときに、周辺に被害が及ばないという地形的な条件もありました。」
魚沼市の内田幹夫市長が自ら現場を確認し、市街地であり緊急性が高いことなどから判断を下しました。
午後1時12分-
県内初の【緊急銃猟】を実施。猟友会のハンターが3発発砲し、クマを駆除しました。
■現場近くの住民
「クマには申し訳ないんですけども、ありがたかったです。住む者の恐怖としては、駆除されれば少し和らぎますのでありがたかったです。」
■魚沼市生活環境課 森山豪雪係長
「膠着(こうちゃく)状態だと、警察官の方からの発砲命令が出せないといいますか。人に襲いかかってるとかそういった状況ではないので、今回はその『緊急銃猟』の最たる場面だったと思う。」
発砲を許可した内田市長は、「今後も人身被害が発生しないよう、引き続き警戒体制をとってまいります」とコメントしています。