2025.10.03NST大橋元会長は顧問退任、所得隠しの調査結果公表【新潟】
NST本社で開かれた会見
11億円の所得隠しを国税局から指摘されたNST新潟総合テレビが、外部の調査委員会による調査結果を出しました。さきほどから新潟市の本社で会見を開いています。
■NST新潟総合テレビ 酒井昌彦社長
「ご心配をおかけしており、大変申し訳ございません。ご提言を真摯(しんし)に受け止め、再発防止策を万全なものにしてまいります。」
11億円に上る所得隠しの発覚から約4カ月-
NST本社で開かれた会見。3日に公表された外部調査委員会の報告書によると、2011年ごろから視聴率が低下する中、営業担当者に対して「売り上げ1位・シェア1位」を目標とするなどプレッシャーを強めていました。
こうした中で、東京支社の営業が広告代理店担当者に商品券を贈ったり海外旅行による接待をするなど利益供与を強化。しかし、税務当局の指摘や新型コロナウイルスの拡大でこうした手法が難しくなったことから、架空のインフォマーシャル制作費の支払いという形で利益供与を行うようになったということです。
6月の会見で「元社員の男性が個人の判断で接待したと聞いている」と主張し、NSTへの還流はなく組織的な所得隠しではないと主張していた酒井社長。
3日、公表された報告書では、酒井社長は一部の支払いを認識し容認していたものと推認できるとしました。報告書は「目標達成のための手段の是非に意識が向いていなかった」と指摘しました。
■外部調査委員会 森本哲也委員長
「NSTでは、売り上げ・数字の達成に絶対的な価値がある。手段の是非観点が軽んじられていたことが背景にあったと考えられる。」
■NST新潟総合テレビ 酒井昌彦社長
「東京支社での過剰な利益供与が長期にわたり放置されていた。役員や一部社員が当事者意識やリスクに敏感に反応する力を欠いていた。」
NSTは、重加算税など7億994万円を納税しています。
外部調査委員会から、「影響力が大きく本件を惹起した責任も大きいと言わざるを得ない」と指摘された元会長の大橋武紀氏は3日付けで顧問を退任すると発表しました。
■NST新潟総合テレビ 酒井昌彦社長
「再発防止策にご提言をいただいておりますので、その内容を精査し、更なる再発防止に努める。」
酒井社長は自身の進退について、3日の会見で「退任というのも選択肢の一つにあるが、現在の経営体制を見ると私が今退任ということになると新たな混乱を招いてしまう。今の時点ではしっかりと信頼回復・再発防止策にまずは取り組んで、土台を作って次の人間に引き継ぎたい」と述べました。