2025.07.02【特集】愛好家がハマる「メダカ」の世界 ひそかなブームの理由は〝改良メダカ〟!?【新潟】
飼っているペットランキング3位「メダカ」(ペットフード協会の調査・2024年)
2025年4月、柏崎市で『メダカサミット』というイベントが開かれました。ひそかにブームとなっている〝メダカ〟一体どんな魅力があるのでしょうか?愛好家の自宅を訪ね、知られざるメダカの世界に迫ります。
柏崎港の一角に人だかりができていました。注目を集めているのは…〝メダカ〟です。
4月27日に開かれた『メダカサミット』。県内外から集まった愛好家が、自慢のメダカを展示・販売するイベントで、5回目の開催となったこの日の来場者は約1500人でした。
■上越市から 愛好家歴3年
「外で飼っていて、休憩するとき上から眺めたり見て癒されている。」
■上越市から 愛好家歴2年
「子供が育てたいと言ってもらったが、最終的に僕の方がハマった。30匹くらい育てている。」
■子ども
「色がかわいい。」
じつは今〝メダカ〟がひそかなブームとなっていて、ペットフード協会という団体が飼っているペットの種類を調査したところ、メダカは犬・猫に次いで3位にランクインしました。
新潟市には2024年、なんとメダカの専門店がオープン。愛好家たちの熱狂ぶりがうかがえます。
■GMめだか 水澤裕史代表
「メダカ屋さんであり、メダカ愛好家でもあるので、メダカは大好き。」
メダカの魅力は、“見た目がキレイなこと”や“飼育が簡単なこと”だといいますが、ブームになった最大の理由が-
■GMめだか 水澤裕史代表
「改良メダカが増えてきている。」
〝改良メダカ!〟
ひれの長さや形・色など、特徴の違うメダカを掛け合わせてオリジナルのメダカを誕生させるのが愛好家たちの楽しみ方だといいます。メダカは繁殖させるのが簡単で、専門的な知識や技術はそれほど必要ないそうです。
■GMめだか 水澤裕史代表
「無限大にいろんな可能性を秘めていて、掛け合わせをして狙っていても『こんなメダカが生まれるんだ』と発見もあり楽しい。どんどんいろんなメダカを作っていきたいし販売したい。」
『メダカサミット』の企画に携わる雛子さんも5年ほど前、改良メダカにハマりました。
■メダカサミットを企画 雛子さん
「きっかけは、子供が野生のメダカを見て飼いたいとなって、改良メダカがすごいとなってSNSで見てハマった。数えきれないほど種類がいるので、自分の好きなタイプのメダカや老若男女から人気のところが魅力的。」
雛子さんは、趣味が高じて『めだか☆赤星』という屋号でメダカを販売しています。同僚の久保さんにおすすめを教えてもらいました。
■めだか☆赤星 久保陽一郎さん
「『サボテン』というメダカ。背中にラメという光を出すメダカなので、背中のラメを見るために上から見る方がきれいに見える。」
愛好家たちが特にこだわるのが“ひれ”。長さや形など、好きなタイプを見つけるのが通の楽しみ方だそうです。
■めだか☆赤星 久保陽一郎さん
「ひれにスワローといって、独特な伸びる感じのきれいな“ひれ”が特徴。それぞれ“ひれ”の伸ばし方が違うので、その辺を楽しむ。」
刈羽村に住む加納優生さん。自宅の庭で、メダカを育てたり繁殖させたりしている愛好家です。
■愛好家歴5年 加納優生さん
「40~50種類、500匹弱がここにはいる。1つ1つの見た目、ひれが長かったりいろんな色がついていたりキラキラしているのが(きれい)。新潟は、ニシキゴイが有名だが、(メダカは)飼育スペースが小さいのも魅力。」
加納さんは、エサや水温の研究を重ね、メダカが住みやすい環境づくりを心がけています。
■愛好家歴5年 加納優生さん
「寒い日は暖房をずっとつけている。水温を落とさないように水替えも頻繁にせず、できるだけ人の手を加えないような管理方法でやっている。」
エサは朝晩に分けて毎日2回。メダカの成長段階に応じて、エサの種類を変えるなど手塩にかけて育てています。あくまでも自分が楽しむためで、販売はしていません。
■愛好家歴5年 加納優生さん
「メダカの世話は仕事が終わり、子どもたちが寝静まってからできるので、あとは自分の睡眠時間をどれだけ削れるかとの勝負。どんなに仕事に疲れていても、メダカを見たら疲れが飛ぶ。それは間違いない。」
■息子・加納燈蒼くん
「(Q.好きなメダカは?)レックウザ。背中部分が好き。」
愛好家の手で大切に飼育されるメダカですが、じつは野生では危機に瀕しています。川など生息環境が悪化し個体数が大幅に減少、1999年から環境省によって『絶滅危惧種』に指定されています。メダカ専門店「GMめだか」の水澤さんも愛好家たちに注意を呼びかけています。
■GMめだか 水澤裕史代表
「もし改良メダカがたくさん(川に)流れたり交配すると、さらに(野生のメダカが)減る可能性があり、生態系が崩れるので怖い。お客さんには(川に)絶対流さないでと放流禁止の袋を渡したり、増えすぎたら『回収する引き取る』と声がけしている。販売するだけでなく(注意を)呼びかけながら、自然のメダカも改良メダカも楽しめるようにするのがメダカ屋の使命。」
次回のメダカサミットは、9月14日(日)に柏崎港観光交流センター「夕海(ゆうみ)」で開催される予定です。