2025.05.26【クマ出没注意】専門家の調査に同行:木の幹に「クマ剥ぎ」「背こすり」があったら注意を【新潟】
『背こすり』オスが縄張りを示しているなど
24日、新発田市の住宅街でクマが捕獲されました。都市部に現れるクマは『アーバンベア』と呼ばれ、特に問題となっています。
専門家の調査に同行し、現状を取材しました。
クマの生態に詳しい新潟大学の箕口秀夫名誉教授。6年前から阿賀町旧三川村の山中にカメラを設置して、クマやイノシシなどの野生動物の調査を続けています。
山道を歩くと、クマの痕跡が残されていました。
■新潟大学 箕口秀夫名誉教授
「ドイツトウヒという木。下の幹がべろべろと剥がされているが、これが誰が剥いだかということだが、剥いだのはクマ。去年、一昨年あたり。」
〝クマ剥ぎ〟という行動で、樹液が出やすく揮発性のにおいがする針葉樹に多く見られます。
別の木を見てみるとー
■新潟大学 箕口秀夫名誉教授
「ここの部分は、剥ぐというよりも背中をごしごしする『背こすり』という行動がある。」
クマが背中をごしごしとこすっている映像です。『背こすり』は、背中がかゆいのでこすっている、オスが縄張りを示しているなど様々な理由が考えられると言います。
■新潟大学 箕口秀夫名誉教授
「こういった跡がつくのを覚えておくと、自分が入った山にクマがいるかいないかを確かめるのが大切。(Q.調査を続けてわかったことは?)どんぐりの豊作の翌年は、子グマがたくさん生まれる。まさにどんぐりの豊作の翌年は、親子クマが映るようになる。」
近年は、都市部に出没する『アーバンベア』が問題となっています。
新発田市で、2023年にクマが捕獲された場所も住宅街でした。
■新潟大学 箕口秀夫名誉教授
「夏も含めて今の時期に里に降りてきているのは、背景としてクマの生息域が広がって、私たちが暮らしているすぐ脇で生活している。行動している。クマの出没を抑えて事故を減らすのは、私たちの生活圏とクマの生活圏を離す。クマをはじめ、山の動物を押し返すことが必要。」