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2025.06.05【特集|若き経営者の挑戦】スッポンの新たなエサ 地元企業とコラボ開発!南魚沼市の特産品へ【新潟】

【特集|若き経営者の挑戦】スッポンの新たなエサ 地元企業とコラボ開発!南魚沼市の特産品へ【新潟】
魚沼スッポン 井口陸弥さん
南魚沼市で『スッポン』の養殖事業を営む男性が会社を立ち上げて、4年目を迎えました。南魚沼市の特産品を目指し、新たに地元企業とコラボしたエサの開発に取り組んでいます。

滋養強壮の食材として知られる『スッポン』。その歴史は古く、江戸時代から広く食べられています。
株式会社「魚沼スッポン」の井口陸弥さん(31)。井口さんは、3年前に地元の南魚沼市で起業し『スッポン』の養殖事業に取り組んでいます。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「最近、計測しすぎて持っただけでだいたい重さ分かるようになったんですよ。223g、190g、170gくらい。」

大学時代、アワビの養殖を研究していた井口さんは東京で就職後、南魚沼にUターン。経験を生かせるスッポンに注目しました。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん(当時29歳)
「単価が安いものをやりたくなくて、たくさん作らなければいけないので、単価が高くて初期投資が安いものは何かと考え『スッポン』が最適だった。」

池を作った場所は、祖父が所有していた土地。敷地内に湧き出す〝温泉〟を利用することで、スッポンが冬眠せず成長が早まり、出荷までの日数を短くできるといいます。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「冬の食べ物なので、今年の冬はたくさんの方が食べてくれた。」

飲食店や宿泊施設への販売のほか、一般向けには主に鍋セットで販売していて販売価格は2~3人前で9800円です。『魚沼スッポン』という商品名で売り出したところ、品切れになることもあるほど売り上げは好調です。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「新しく作ったのがこっちの大型池、2号池になります。」

事業を立ち上げて3年-
2024年12月には池を増築しました。これまでの800匹から最大で2400匹まで飼育する想定です。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「生産量もある程度確保しないと途中で(在庫が)なくなっちゃったりとか、欲しいシェフの方全員にお配りできなかったりするので、安定生産という面でも増築した。」

井口さんがこの日向かった先は、十日町市です。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「マグロのミンチ肉。人が食べられない部分があるんですけど、それをいただきに伺いたいと思います。」

マグロの加工会社「山崎食品」。井口さんは、スッポンのエサに新たに『マグロ』を取り入れようと考えています。

■山崎食品 山崎正行社長
「食用になると骨・皮・筋、そういうものを全部取って食べないといけない。ここの部分はどうしてもその人間は食べられないもの、加熱しても細かい骨があったりして食べられない部分。」

ゆずってもらうのは、マグロを加工する際に出る『細かく削られたミンチ肉』。工場での加工で1日に300~400kg出ると言います。

■山崎食品 山崎正行社長
「『スッポンはこういうの食べないかな』と試してもらったのがきっかけ。」

以前から交流があった山崎社長と一緒に、何かできないかと話していたという井口さん。今回、念願のコラボが実現しました。
山崎社長から見て、井口さんは-

■山崎食品 山崎正行社長
「(スッポンを)どういう育て方をしたらおいしいのかとか、どんなところにどんなスッポンの食べ物があるかとかですね、非常に興味深く仕事をしているのでマニュアル通りじゃない人だなという感じはしますね。」

養殖場に戻って、さっそく餌やりです。
地元酒蔵の酒かすと魚粉を混ぜ合わせていたこれまでのエサに『マグロ』を加えます。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「(マグロは)メイン飼料の3割くらい。」

混ぜ合わせたエサを、早速置いてみると・・・エサを食べ始めました。栄養価が高く・高たんぱくなマグロを加えることで、スッポンの味にも変化が出るのではと期待しています。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「動物性たんぱくを食べた方がスッポンが美味しくなる。肉の味が強くなって(マグロは)脂質もすごく多くて、魚油が多く含まれたマグロを食べることによって、健康状態も良くて味もいいスッポンになると考えます。」

井口さんが目指しているのは〝完全養殖〟です。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「今は赤ちゃんの亀『稚亀』を他の業者様から仕入れて、稚亀を育てるという中間養殖をしていたが、ゆくゆくは〝完全養殖〟したいというのがやっぱり会社の中であって。」

2024年から親亀となる大きな母亀を仕入れ、卵を産ませてふ化させる〝完全養殖〟の実験を始めました。
しかし-

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「去年は300個ぐらい卵が生まれたんですけど、湿度の管理がよくできなくてふ化しなかったんですよね。」

今年は本格的に取り組もうと、親亀用の池を自分たちで作るところからスタートです。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「今年は、温度と湿度をもう少しこまめにシビアにキープして卵をふ化させるまでが、まずはゴールですね。」

事業を立ち上げ、この3年間で着実に成果を上げてきました。
今後は、〝南魚沼市の新たな特産品〟として認めてもらうため、知名度アップを目指します。

■魚沼スッポン 井口陸弥さん
「スッポンを食べたことのない人がすごくたくさんいらっしゃるので、まずは食べていただく機会をたくさん窓口を広げて『南魚沼って何あるかな』となったときに、みんなが〝スッポン〟と言ってくれるぐらい事業を大きくして認知度向上できたらなと思っています。」
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