2026.05.20【特集|県知事選挙】「原発再稼働」をめぐる論点:3人の候補者に聞く①【新潟】
1回目は、『原発再稼働』をめぐる論点
31日に投開票を迎える県知事選挙には、3人が立候補しています。届け出順に、現職の花角英世さん、新人の土田竜吾さん、新人の安中聡さんです。
2回に分けて新潟の様々な課題に候補者がどのような政策を掲げているのか。インタビューなどをもとに、それぞれの主張を見ていきます。
1回目は、『原発再稼働』をめぐる論点についてです。
2025年12月-
県議会は、柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角知事の判断を認める決議を可決しました。「地元同意」の手続きが完了し、2026年1月に柏崎刈羽原発6号機は14年ぶりに再稼働しました。
今回の知事選の争点のひとつが、知事が主導した地元同意のプロセスの正当性です。8年前の初当選以来、再稼働の判断について「県民に信を問う」と言い続けてきた花角知事。信を問うための具体的な手法が「県議会での信任」だったことへの是非が問われています。
一方、原発再稼働そのものについても、県民の賛否は割れています。県が2025年9月に実施した県民意識調査では、再稼働を容認する意見が50%、どちらといえば含め反対が47%でした。原発はなくすべきなのかを巡っても、論戦が交わされています。
―――<無所属・現 花角英世候補(68)>
現職の花角さんは、自身の再稼働容認の判断については『2期8年の実績』の一つとして県民に評価を仰ぐ考えです。
■無所属・現 花角英世候補
「(Q.再稼働判断への民意の答えも知事選で出る?)それは皆さんが考えること。2期8年でやってきたことすべてを評価してもらいたい。原発の判断も仕事の進め方もあるでしょうし、そのすべてです。」
現職知事として再稼働を容認した花角さんは、国と東京電力に安全対策の徹底を強く求めること、原子力防災の取り組みを充実させていくことを今回の公約に掲げています。
■無所属・現 花角英世候補
「県民の意識調査では、福島事故以降の強化された安全対策を知らないという回答が多い。不安感の軽減のため、どんな対策が講じられているのか。県民の理解促進に努めてくださいねと(国への)最初の項目に挙げている。そこは国はしっかりやりますと言っていますし、状況を見ていきたい。」
一方、将来的に原発に依存しない社会の実現を目指すことも公約に記しています。
■無所属・現 花角英世候補
「核分裂から得るエネルギーに頼らないで済む社会になって欲しいのがベースにはある。(Q.知事として何を?)自然再生可能エネルギーを新潟県内で増やす、これはやっています。」
―――<無所属・新 土田竜吾候補(38)>
新人の土田竜吾さんは、原発再稼働を巡って「信を問う」と言いながら県民投票などの手法をとらなかった花角さんの政治姿勢を強く批判しています。
■無所属・新 土田竜吾候補
「知事の政治姿勢ですね。『県民に信を問う』と言いながら行わなかった。県民の不安に寄り添う県政への転換を私は訴えていく。」
土田さんは、原発再稼働のような重要な論点について、県民に直接是非を問う仕組みが必要だと訴えます。
■無所属・新 土田竜吾候補
「県民生活に重要な施策に対して、県民投票を行える体制を作っていくことは、いまの県民世論に応える非常に重要な政策になっているのかなと思います。今後、原発再稼働が6号機・7号機以外で進められようとしたときに、もしもリプレース(建て替え)という話が出てきた場合、基本的には地元同意が必要になってくると思います。そういった場合も想定しながら、まずは常設型という形で制定をしていきたいと思っています。」
将来的に原発ゼロを目指すことを公約に掲げる土田さんは、現在の新潟県は再生可能エネルギーの活用の仕方に課題があると指摘します。
■無所属・新 土田竜吾候補
「作った再生可能エネルギーを新潟で使わず、県外に送電している部分が非常に多い。地元で新潟で作った電気をしっかり新潟で使っていくことを進めていかないと、原油が入ってこない・発電ができないとき、確保の部分でも非常に脆弱(ぜいじゃく)な体制になってしまう。エネルギーの地産地消、しっかり進めていきたい。」
―――<無所属・新 安中聡候補(48)>
今回が2度目の知事選となる安中さんは、原発の停止と廃止を訴えています。国際情勢が不安定化する中、安全保障の観点から原発の存在を疑問視しています。
■無所属・新 安中聡候補
「国防の重要な課題として、日本海側の原発は全撤去しなければいけないはずだが一切議論になってない。原発が攻撃されるリスクを考えなきゃいけない。まず国を説得しないと話にならない。」
原発に代わるエネルギーの在り方については、国が考えるべき問題だと指摘します。
■無所属・新 安中聡候補
「代わりの電力用意しろよって言われる、それはちょっと違う議論。新潟県に危険な原発があって、原発を動かさないことによる電力の不足を我々が補完しないといけないのは理論としておかしい。あくまで政府が考える(問題だ)。」
花角知事の地元同意のプロセスも批判する安中さんは、再稼働などの重要な施策に関する県民投票条例の制定を訴えています。
■無所属・新 安中聡候補
「(もし知事になったら)花角氏が県民の声を聞くやり方を間違っていたと、新潟県民の代表として知事として謝罪したい。新潟県民全体に被害が及ぶ可能性のあるものは県民投票しないとダメなんだという形を作って、知事が変わっても県民の声を聞かないとダメという土壌づくりも並行してやる。」
2回目は『人口減少と地域医療』についてお伝えします。
県知事選挙は、5月31日(日)投開票です。