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2026.06.23【特集】新女将の思い「100年後も続く旅館に」長岡市の老舗旅館 運営委託で再出発【新潟】

【特集】新女将の思い「100年後も続く旅館に」長岡市の老舗旅館 運営委託で再出発【新潟】
『蓬莱館 福引屋』の新女将・栗原里奈さん
長岡市にある老舗旅館『蓬平(よもぎひら)温泉』が運営委託で再出発しました。新女将(おかみ)が就任し、集客につなげようと様々な取り組みを進めています。

長岡の奥座敷『蓬平温泉』。古くから湯治場として栄え、現在も県内外から大勢の観光客が訪れています。

3軒ある宿のひとつ『蓬莱館 福引屋』。1869年(明治2年)から150年以上続く老舗の旅館です。女将を務める栗原里奈さん(39)。福引屋は栗原さんが共同代表を務める新会社に運営を委託。4月から新体制で経営を始めました。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「福引屋が経営者の体調面とか中越地震・大雪・新型コロナという大変な曲折を迎えて、体制的にも厳しいということでお声がけいただいて、私で力になれるならと思って関わらせていただくことになった。」

千葉県出身の栗原さんは、14年前に長岡市に移住。農業や観光など地域の魅力発信に取り組んできました。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「地方に移住願望があって旦那さんと知り合って、たまたまその方が新潟の方だったので長岡に移住してきた。」

結婚後、子育て期間を経て酒蔵の取締役に就任。その後、コンサルティング会社を設立し、女将就任の打診を受けたのは2025年夏ごろでした。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「経営状況を見ないと本当にお役に立てるかわからなかった。数字の面も見させていただいて、大変な状態ではあるが地域に残る形は維持できると思って関わることに決めました。」


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■福引屋 女将 栗原里奈さん
「チェックインは私が入ると色々なものがまわらなくなるので、説明はスタッフにしてもらうが最初のお出迎えはさせていただいている。」

3月まで女将を務めていた諏訪利江さん。大女将として宿泊客のお出迎えなど、引き続き表に立つ役割を担っています。一方、栗原さんは裏方の女将業を担うなど作業を分担しています。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「経営の数字の部分だったりとか、人材育成や地域連携と言ったところが女将の仕事とうかがっているので。私は裏方のほうで大女将を支えさせていただいている。」


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栗原さんが向かったのは旅館から約20分、長岡市の摂田屋地区にある『星野本店』です。創業は江戸時代後期、主にみそとしょうゆの製造を行っています。敷地内にある県内ではめずらしい『三階蔵』を見学。星野美代子さんから、みそや糀(こうじ)の説明を受けました。

■星野本店 星野美代子常務
「ご飯を用意して色々とご飯に乗っける食材を置いたらどう。」

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「これ賞味期限長いですものね。」

栗原さんは、摂田屋との連携を深めて相乗効果に期待しています。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「やっぱり魅力にあふれる場所、絶対に訪れて来られた方も満足度高く見られて体験されて、何か買われて帰られるとあらためて思った。」

■星野本店 星野美代子常務
「蓬平にお客様が泊まられたら、けっこう寄ってくださる方が多い。摂田屋を色々と寄れる楽しみな場所にしてほしい。」


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こちらの建物は『旧機那サフラン酒製造本舗』。明治時代からサフラン酒(リキュール)を製造していました。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「これから観光的な動きはどういう感じで進めるのか?」

■ミライ発酵本舗 斎藤篤取締役統括マネージャー
「醸造・製造業の町だったので、いかにおもてなしの良さ 付加することができることが課題になる。」

摂田屋の魅力を発信するミライ発酵本舗の斎藤篤さん。主にイベント企画・運営を行っています。斎藤さんは観光としてだけではなく、地域振興の一環としてまちづくりに取り組んでいます。

■ミライ発酵本舗 斎藤篤取締役統括マネージャー
「車で10~15分で蓬平温泉に行けるので、そことの連携どうするのか課題。」

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「どういう風にお客様をつなげるか。そのきっかけづくりを色々な随所でちりばめる必要があると思っている。」


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■福引屋 女将 栗原里奈さん
「蓬平と山古志と摂田屋地域の地図は?」

■和泉屋 田﨑奨和さん
「ない。本当は特化したのが作りたい。オリジナルの蓬平温泉タオルなど、そしたら売店でも売ってくれる。」

蓬平温泉の3つの旅館が集まり、『蓬平』の発信方法やタオルなど共通の商品が販売できないか検討することに。

■よもやま館 田中敏也さん
「蓬平温泉だけではなく、摂田屋や山古志など色々なところと協議して、協力しながら今後進んでいきたい。」

2004年に発生した中越地震。福引屋は客室などが被害を受けましたが、銀行から融資を受け約8カ月後に再開。しかし、新型ウイルスが直撃するなど厳しい経営が続いていました。

■福引屋 大女将 諏訪利江さん
「いままでの私たちのやり方が甘かったというか良くなかったということだと思うし、いままでの考えとは180度違うからこういうやり方があったんだなと。こういうことをすれば良かったという反省点もすごくある。」

宿のコンセプトは〝七つの福を感じる一泊〟。
栗原さんは宿帳などのデジタル化を進めたほか、ペット同伴可能な宿泊プランの作成や料理メニューも一新しました。フランスの美食ガイドにも掲載されたKOKAJIYAの熊倉誠之助さんに監修を依頼しました。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「温泉と料理が楽しめるねというのは、お客様の満足も上がるので進めている。」

長岡の発酵文化を中心に料理メニューを考えていると言います。

■KOKAJIYAオーナーシェフ 熊倉誠之助さん
「摂田屋とかその辺の発酵文化は歴史があるので、ありとあらゆる発酵食を地場の素材と合わせてメニューを作っている。」

こちらは、豆腐と甘酒を使ったデザート。熊倉さんは定期的に訪れて、厨房(ちゅうぼう)の担当者に料理の作り方を共有してきました。6月に入り、実際に新メニューを提供しています。県産米に、長岡発酵牛鍋です。

■東京から
「1個1個が変わっているなと。一つの豆腐も説明を聞いていて楽しかった。」

■新潟市から
「私ら年寄りは少なくていいから、品数が多いから楽しい。」

宿泊客からの反応も上々です。朝食も発酵食品などを使った新たなメニューを提供しています。

栗原さんはサービス面の整備を進めながら、3年後には年間で客室稼働率8割を目指しています。

■福引屋 女将 栗原里奈さん
「いままでの既存の考え方では売り上げがなかなか難しかったところを私たちが入ることで、売り上げを上げていき利益を改善して黒字化にもっていく。ウェルネスツーリズムとか昨今の若者のニーズもキャッチアップしながら、100年後も続く旅館にしたい。」
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