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2025.05.13【特集】実物大の龍やゾウに恐竜も!“廃材”にもう一度「命」吹き込む 廃材アート作品【新潟・長岡市】

【特集】実物大の龍やゾウに恐竜も!“廃材”にもう一度「命」吹き込む 廃材アート作品【新潟・長岡市】
『廃材』を使った〝実物大の生き物〟のアート作品
長岡市栃尾を拠点に活動するアーティストがいます。作る作品は、使われなくなった『廃材』を使った〝実物大の生き物〟のアート作品です。その魅力に迫ります。

長岡市栃尾にあるアトリエ『sokoso-ko(そこそーこ)』。
中に入ると、龍やゾウ・ジンベイザメなど今にも動き出しそうな生き物のアート作品が並びます。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「この作品は『神籬(ひもろぎ)』と言う名前の作品で、モチーフは“山犬”とか“オオカミ”をイメージしている。この地域での神籬は、これになったらいいなと思って作ってみた。」

これらの作品は、すべて使われなくなった木材〝廃材〟で作られています。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「表面の毛皮の部分は片栗粉の箱でできているので、材料自体も地域のお肉屋さんからいただいた箱で作らせていただきました。」

作者の加治聖哉さん。廃材で作った作品を十日町市の大地の芸術祭に出品したり、展覧会を開いたりするなど『廃材アーティスト』として注目を集めています。作品はほとんどが生き物、それも“実物大”で作るのがこだわりです。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「動物園にいけば、ゾウとかいろいろ見られると思うんですけど、おりを挟んで向こうとか距離があるので視界に収まると小さく感じる。私が“実物大”で作れば暴れることはないので、距離を縮めて実際これくらいでかいんだというような驚きとかを味わっていただけるんじゃないか。」

村上市出身の加治さん、廃材アートを作り始めたのは長岡造形大学在学中です。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「他の学科が椅子とかそういうのを作るときに出た廃材。木で家具とか椅子とか作るんですけど、どうしても使えないところを捨ててしまっているのを見て、もったいないなと思ったところが始まりですね。」

卒業後は関東のアートスタジオに就職しましたが、1年ほどで退職。
2019年に栃尾に移住し、地域おこし協力隊として空き家をアートギャラリーに改装する活動を始めました。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「栃尾の知り合いから連絡をいただいて、地域おこし協力隊を募集しようと思っているんだけどと言われて、面白そうだなと思って来た。」

地域おこし協力隊として活動する傍ら、本格的に廃材アートの制作をスタート。3年の任期を終えた後も栃尾に残り、作品作り没頭しています。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「土地柄もいいし、人もいいし、雪はちょっと大変だけど。その辺がいいなと思って定住したいと思っていた。移住して6年くらい経つ。商店街ですれ違ってもあいさつしたり、飲みながらしゃべっていると楽しい。」

この日は、ベロキラプトルという恐竜を作っていました。恐竜をモチーフにするのは初挑戦だと言います。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「今現代に生きている動物と違って動いている様子を実際に見たことはないので、本当にこういう動きだったのかとか、こういうポーズができるのかを探りながらやるのが難しい。」

ポージングで意識しているのは、標本のようにみえないようにすることです。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「実際、本当に飛びかかってきそうとか、動き回っていそうと思ってもらえるように動きのあるようなポーズだったり、材料で作るのがポイント。」

リアリティーを追求するため、モチーフとなる動物の資料と設計図を用意し制作していきます。廃材は、地元の工場や工務店から調達したものです。材料が不ぞろいだからこその楽しみがあると言います。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「作っていく段階でこの廃材をどうはめていくかとか、これはどうやって使えたら一番魅力的に映るとか考えながらやるのが、パズルを解いているというかレゴブロックで遊んでいるような楽しさがある。」

さらに、廃材を使うからこその“こだわり”が-

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「(廃材を)切ったりはあまりしないようにしている。もらったままの素材感でしか出ない雰囲気とか、味が出るのが廃材のいいところ。ホームセンターで買ってきた材料を使うのとは違う。」


GWの期間に開催した『オープンアトリエ』。
単なる展覧会ではなく、作業場を公開することで作品の背景まで知ってもらう狙いです。

「ここに手をついて、そのままゆっくりまたがってください。」
「大丈夫ですか、本当に。」
「大丈夫です。耐えます。」
「これ何時間くらいかけて作ったんですか?」
「2~3週間とかかな。」
「2~3年かと思いました。」

集まった人たちは作品の背中に乗ったり、加治さんとコミュニケーションを取ったりして楽しみます。

■長岡市から
「すごかったですけど、壊れないか心配でした。本物のオオカミに乗っているような気がしました。」
■弥彦村から
「一度使い終わった廃材を利用してのアートということで、すごいダイナミックな表現で生まれ変わっているので感動した。」
■新潟市から
「実物見ると迫力がすごくあって、筋肉のふくらみも見えてすごいなと思う。」

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「かなりお客さん来てましたね。楽しんでもらうのが一番で、そのためにやっているのもあるので、キャッキャキャッキャと(子どもたちが)楽しむのが本当にうれしい。」

オープンアトリエには、地元のカフェも参加。

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「栃尾で唯一、モーニングをやっているカフェなんで。」

■栃尾でカフェを経営
「もともとコーヒーを入れたりするのは、加治さんが最初のきっかけ。ここ(オープンアトリエ)でやったのがきっかけ。」

栃尾に移住して6年。着実に地域との関係も濃くなっています。

地元の人
「私の子どもの中学校にも行って廃材アートを作る授業をやったりしているので、栃尾を元気にしてくれる存在。」

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「私ができることは限られているが、色々な人にお世話になっている場所なので、恩返しがてら色々できるとうれしいなと思いながら作品展を各地でやったりしながら、栃尾をPRできたらいいなと思う。」

これまで加治さんが作ってきた廃材アートは、約150点ほど。
そこに込めるメッセージは-

■廃材アーティスト 加治聖哉さん
「廃材自体に魅力があって、もらったところとか受け取った方からのお話を聞くとそれぞれに歴史とか物語がつまっているので、いらなくなったものだとしてもこういう使い方ができますよ、こういう可能性があるんですよっていうのを見てもらえるように作っている。」

*オープンアトリエは、GW限定のイベントですでに終了しています。
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