5月、五泉市の登山道で住職がクマに遭遇しました。クマから攻撃を受けそうになったその時、住職を救ってくれたのはそばにいた愛犬でした。

五泉市川内にある永谷寺(ようこくじ)。住職の吉原東玄さんは、5月29日午前9時ごろに犬の散歩をしていたところクマに遭遇しました。

■永谷寺住職 吉原東玄さん
「(クマが)こっちからバーッと来てさ。」

登山道に現れたクマは、体長が1.6mくらいあったそうです。

■永谷寺住職 吉原東玄さん
「もうなすすべなしですよ。もうダメ。こんな筋肉あるけど太刀打ちできません。」

見事な筋肉の吉原さん。じつは、ボディービルの大会に出場するほど普段から体を鍛えている住職として、地元では知られた存在。
しかし、クマと対峙したときは－

■永谷寺住職 吉原東玄さん
「本当にすごい。もう何もできないですよ。悔しいくらい抵抗できませんでしたね。」

クマは、吉原さんに覆いかぶさろうとしましたが、立ち向かったのは愛犬の〝チコ〟でした。

■永谷寺住職 吉原東玄さん
「クマが足のところに来たので、私も腰が抜けたようになって足で蹴っ飛ばした。そしたらチコが応戦というか、ほえて追い払ってくれた。すごい鳴き声。ビーグル犬だから、クマもおじけづいてひるんで逃げた。」

吉原さんは転倒して右肩を脱臼。チコの勇気ある行動に救われたと感じています。

■永谷寺住職 吉原東玄さん
「靭帯(じんたい)損傷だけで済んで良かった。チコには感謝しかないです。〝命の恩犬〟ですよ。」

県内では、2025年4月から『クマの目撃情報』などが約180件寄せられています。県は、単独行動を避け、ラジオや鈴など音が鳴るものを持って山に入るよう呼びかけています。