2025.05.20「全然現場を分かっていない」農水大臣「コメは買ったことがない」発言に農家は怒り、米価は再び上昇に【新潟】
全然現場を分かっていない」農水大臣発言に農家は怒り
18日、江藤農水大臣が自民党佐賀県連のセミナーに出席し「コメは買ったことがない」と発言しました。各地で批判の声が上がる中、スーパーでのコメの平均価格は再び上昇に転じています。
20日午前の燕市。集まった農家らが見ていたのは、ドローンによる播種作業です。品種は新潟大学が開発した『新大コシヒカリ』です。燕市は、今年度から暑さに強い「新大コシヒカリ」の試験栽培を実施しています。
■新潟大学 三ツ井敏明特任教授
「まだまだ実証実験の段階で品質の良いものを世に出していきたい。」
高止まりが続くコメの価格。農水省が発表した5月5日~11日までに全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの平均価格は、4268円。18週ぶりの値下がりとなった先週の価格から54円上がり、再び上昇に転じました。
新潟市内のスーパーでは-
■買い物客
「(値段)上がってますね。今は2カ月分くらい(買いだめが)あるのでいいけど、そこから先が心配。まあ高いの食べるよりしょうがない。生きていくためには。」
■買い物客
「実家が富山なので、そっちから送ってもらうが足りなくなると買いに行く。えーこれだけ出さなきゃいけないんだって。」
新潟市西区の『ichiman』では、店頭に出したものは毎日売り切れているといいます。
■高井商店 高井栄二朗専務
「売り上げで言うと、前の年の3倍くらい売れている状況。入荷量は例年の半分くらいしかないので、なるべく仕入れの量を増やしたいのが今の希望。」
大変なのは在庫の確保です。備蓄米を問屋に要望していますが、入荷の予定はありません。
■高井商店 高井栄二朗専務
「備蓄米があれば多少大丈夫だったかもしれないが全然あてにならないので、新しい仕入れ先・農家も含めてだが少しでも多くの取引先を作って入荷する量自体を増やさないと。」
消費者やスーパーが頭を悩ませる中、農水大臣は-
■江藤拓農水大臣
「総理と官房長官とお会いしました。総理からは今回の私の発言は消費者の方々、国民の皆様方に対しても生産者の方々に対しても大変不適切であるというふうに大変厳しくお叱りいただきました。」
発端は18日、自民党佐賀県連の政治セミナー。出席した江藤大臣は「コメは買ったことがありません。売るほどあります」などと発言しました。
■農家
「ちょっとおかしいんじゃないですかね、あの方は。ああいうことが平気で言えるような人が、農業の一番大事なところを司っているというのはちょっとおかしいような気がします。」
■農家
「全然現場をよく分かっていない、上の人の話かと思っちゃいますね。」
■江藤拓農水大臣
「最後まで責任を果たせと言われた以上、どのような批判を浴びても歯を食いしばって最後までやり遂げるのが私の今やるべきことだと思う。」
農家が求めるのは〝実のある政策〟の実現です。
■農家
「今の米価は、農家にとってはやっとここまで来たかという感じだが、消費者から見ればとても買える値段ではない。米価は高く、一般の小売価格は低く、これは政策・政府がどうこうするしかない。」