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2025.05.30【特集】150年愛され続ける「老舗豆腐店」6代目の“改革”と“変わらないこと”【この町で~愛される老舗~|新潟】

【特集】150年愛され続ける「老舗豆腐店」6代目の“改革”と“変わらないこと”【この町で~愛される老舗~|新潟】
150年もの長きに渡り愛され続ける老舗『嘉平豆腐店』
明治初期に開業した豆腐店。時代とともに様々な変化を遂げながらも、今も、昔も、そしてこれからも、変わらない思いを繋いでいます。

JR吉田駅前の商店街。その一角に、150年もの長きに渡り愛され続ける老舗があります。
明治初期に開業した『嘉平豆腐店』。

向かえてくれたのは、6代目・店主の斎藤一良さん、由美さん夫婦です。

■髙橋泉アナウンサー
「どのくらいの歴史がありますか?」

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「創業は明治の初期で、私で6代目になります。150年くらいの歴史がございます。」

■髙橋泉アナウンサー
「具体的な年代は?」

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「詳しいことは親からは聞かされてなくて。創業は明治ということしか分からない。」


早速、自慢の豆腐をいただきます。つやが美しい〝絹ごし豆腐〟。

■髙橋泉アナウンサー
「大豆の香りがふわーと広がって、豆の甘さが口いっぱいに広がります。」

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「国産大豆・天然にがりを使うことによって、豆腐の味が引き出されています。」

■髙橋泉アナウンサー
「(しょうゆなど)何もつけなくても十分美味しいですね。」

豆腐作りは、朝4時から始まります。
一晩水に浸した大豆をミキサーですり潰し、じっくりと煮詰め、豆乳を抽出。そこに、天然にがりを入れて固めると豆腐ができあがりますが、にがりを豆乳全体に攪拌(かくはん)させる“にがりを打つ”作業に熟練の技術が凝縮しています。

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「(にがりを打つのが)一番の真剣作業で、神経を使うので毎日緊張しています。その日の気温や湿度で微妙に手加減が変わる。これ以上混ぜちゃダメというのを手の感覚でやります。」

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「(Q.にがりを打つ技術はどう学んだ?)先代のやり方ではできなかったので、毎日の作業の中で自分で習得した。」


一良さんが店を継いだのは、40年前。
それまでは東京の食品会社で営業の仕事をしていましたが、父である5代目の一郎さんが体調を崩し、家業を継ぐことを決断。独学で豆腐作りを研究し、先代までの原料や製法を変えたと言います。

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「(会社員の時に)居酒屋で冷奴を食べたら、自分の家の豆腐よりおいしかった。そこでカルチャーショックを受けて、嘉平豆腐店を継いだらこういう豆腐を作りたいと思った。」

一良さんは、新商品の開発にも力を入れています。自信作のひとつが、長岡産の枝豆で作る『肴豆のおぼろ豆腐』です。

■髙橋泉アナウンサー
「鮮やかな緑色、いただきます。クリーミーなプリンのようにとろけます。枝豆の味がしっかり感じられます。」

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「(絹ごし豆腐などと)製法は同じだが、大豆が変わるだけでこれだけ味に違いが出る。」

豆腐の品質向上・新商品の開発、さらには“にがりを打つ”作業などの他は、機械化することで製造数を増やしました。一良さんは、150年もの歴史ある家業を次々と改革したのです。その原動力は、店を継いだときの切実な思いだと言います。

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「(以前の店は)いわゆる昔のどんぶり勘定だった。自分でそろばんを弾いてみたら、私の給料がない状況でした。商売なので利益が出ないと続けていけない。でも儲けばかり考えていたんじゃ続かない。」


昭和30年代には、豆腐店は全国に5万軒あったと言いますが、今は約5000軒。一良さんが継いだときは、嘉平豆腐店も厳しい経営状況でした。家業を存続させるためにも、店の改革が必要だったのです。

一良さんが最初にやったのが-

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「サラリーマン時代の蓄えで、移動販売車を作って移動販売を始めた。」

移動販売は今も続けていて、妻の由美さんが担当しています。結婚から35年、この仕事が生きがいだと言います。

■妻・由美さん
「移動販売は楽しいばかり。お客さんとの会話が楽しくて、これからもなるべく長く続けたい。」

ピンポーン

■妻・由美さん
「おはようございます。」
■常連客 横山さん
「歳取ると(買い物で)外に出なくていいのがありがたい。」

常連客の横山さん。この日は厚揚げを買いました。

■常連客 横山さん
「うちの主人は、嘉平豆腐店じゃないと嫌だと言うの。(Q.そんなに違う?)やっぱり違う。よその買わないから分からないけど。お友達が言うには、嘉平さんの豆腐でないと(料理が)この味が出ないと言う。うちは昔から嘉平さんだから。」

■妻・由美さん
「私が嫁に来たときには、すでに(5代目である)おじいちゃんと仲良し。私をすごく受け入れてくれて、変わらずごひいき下さって本当にありがたい。」

常連客が嘉平豆腐店の歴史を支えてきました。


「いらっしゃーい」
近所の女の子も常連客です。

■女の子の常連客
「おぼろ豆腐2つ。(Q.ここの豆腐はどう?)おいしい。」

一族代々150年。6代目は様々な改革を進めてきましたが、これまでも、そして、これからも変わらないことがあると言います。

■嘉平豆腐店6代目 斎藤一良さん
「地域の皆さんに支えられての商売というのは、これからも変わらない。味が良ければ口コミで広がったり、お客さんがお客さんを呼んで繋がっていくと実感している。」

時代とともに進化を続けても、地域と共に歩む歴史は変わりません。
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