2026.06.25【特集】150年続く商店の「名物女将」この先 見据える未来とは【この町で~愛される老舗~|新潟】
新潟市中央区東堀通で150年以上愛されている『篠原商店』
新潟市東堀で150年以上続く海産物の加工品を扱う商店。歴史を守りながらも、新しい店の未来を見据える〝名物女将(おかみ)〟の姿を取材しました。
新潟市中央区東堀通で150年以上愛されている『篠原商店』。焼き漬けや一夜干しなど海産物の加工品を扱い、その数約100品目。長年贈り物の定番に選ばれてきました。
店の顔は、女将の篠原麻恵さん(68)。食品とはまったく別の仕事をしていましたが、篠原家に嫁いでから約40年店に立ち続けています。
■女将 篠原麻恵さん
「(店に入った当時は)魚の違いも何にも分からなかったですし、包装もひとつもできませんでしたので、悪戦苦闘した覚えがあります。お客さまがいつも来てくれて、優しい言葉で『ありがとう、来てよかったよ、また来るね』と言っていただける言葉が私の原動力でもあります。」
10年ほど前に女将を引き継ぎ、いまでは女将目当てに店に来るお客さんも多くいます。
■常連客
「週4日ほどお邪魔しています。(女将は)本当に何でもお話しできる心強いお姉さんです。」
■常連客
「声が大きいからね。声が大きい人に悪い人はいないって言われるじゃないですか。明るいしね。」
■常連客
「突き抜ける声とはじける笑顔。『お店=女将』みたいな感じです。」
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篠原商店のはじまりは、江戸時代末期。明治時代にはこのエリアで『四十物屋(あいものや)』という、塩魚や干し物を販売する店を営んでいた記録が残っています。
■女将 篠原麻恵さん
「130年前の地図で篠原も載っております。いまの場所の向かい側にあります、東堀を挟んで。当時は古町あたりは堀があったようで、船とかが行き来していてすごく繁盛していた。」
昭和初期には、リヤカーにしょうゆ・塩・魚の干し物などを載せて、法被姿で訪問販売(御用聞き)をしていたといいます。
■女将 篠原麻恵さん
「新潟地震があり、ビルを建て直したときに古い物をほとんど処分したみたい。残っていたのがこの法被ぐらいでございました。お守りみたいな感じです。」
店の看板商品は、女将がリニューアルした『さけ焼漬』。北海道産のサケを香ばしく焼き上げ、県産大豆の特製しょうゆだれに漬け込んだ一品。そのまま食べられる手軽さも人気の理由です。
■富沢菜々アナウンサー
「おいしい。身がすごく柔らかくて、甘じょっぱさがすごくクセになる感じで味がじゅわっと噛むごとに出てきますね。」
さらに、女将オススメ・焼漬のおいしい〝アレンジ方法〟を聞いてみると。
■女将 篠原麻恵さん
「(焼漬の)一切れを細かくして酢飯のなかに入れて、あとミョウガ・シソ・白ゴマを入れて混ぜて。焼漬のちらし寿司ができると思います。とっても簡単。さっぱりしていますので、いまの季節にぴったりだと思います。」
女将のこだわりは、地元・新潟の食材を使うことでした。
■女将 篠原麻恵さん
「私の代になって新潟県産のダイズを使ったしょうゆを使ったものを開発しました。新潟はやっぱりおいしいものがあるのでアピールしたい。」
焼漬の加工は篠原商店独自の製法で、信頼できる専門業者に依頼しています。
■女将 篠原麻恵さん
「何回も、味も硬さとかも違うよと言って何回もやりとりをして、やっとできた形の焼漬でございます。しょうゆに漬けるとちょっと硬くなったりするのですが、あまり硬くならないように甘じょっぱい味なんですけど甘すぎないという、その辺もこだわってみました。」
『鮭の焼漬』以外にも、小千谷市・山崎醸造の味噌(みそ)を使った『味噌漬』、阿賀町・麒麟山酒造の酒粕(さけかす)を使った『粕漬』などを販売。女将の〝新潟らしさ〟への思いが表れています。
一方で、古くから変わらない商品も。
『一夜干し』は、約50年愛されるロングセラーです。
■女将 篠原麻恵さん
「『あれ、おいしかったよね』とか思い出して来てくれるということもあります。ずっとこの一夜干しのファンでいてくれるお客さまも多々いらっしゃいます。」
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8年前、店内に新たな憩いの場が-
「古町のにぎわいの拠点にしたい」「お客さんがくつろげる場所をつくりたい」その思いで女将が開いた『カフェ』です。
そこで提供しているランチは、店自慢の焼漬が入った炊き込みご飯に、オリジナルだしを使った野菜たっぷりのスープ・サラダや漬物もついて栄養満点!すべて手作りです。
まずは、メインの鮭の焼漬を使ったご飯から。
■富沢菜々アナウンサー
「ほっとする味ですね。すごく優しい味なので、素材をちゃんと感じられる。鮭の焼漬がすごく生きていますね。」
そして、スープ。
■富沢菜々アナウンサー
「しみますね。野菜とかきのこの具材のうまみがすごく感じられます。満足感がすごいです。」
心が満たされる温かいランチをめがけて、すっかり多くの人の居場所になりました。
■女将 篠原麻恵さん
「もう常連さんもいてくださいますし、すごく色々なご縁が広がっている交流の場にしたい。もっともっとわくわくするような楽しいカフェにしていきたいなと思っております。」
現在 店を率いるのは、女将と社長であるご主人の2人。しかし、社長は6年前まで別会社で働いていたため、長年 女将が中心となって店を守ってきました。
■社長 篠原昭博さん
「私がいない間も店を守ってくれましたので、言いにくいですけど『ありがとう、これからもよろしく』という気持ちでおります。」
■女将 篠原麻恵さん
「言われたことないです。初めてです。」
そして、女将にとって大事な存在がもうひとつ。ともに働くスタッフです。
■女将 篠原麻恵さん
「私を慕ってくれて、一生懸命働いてくれるスタッフも原動力のひとつになっております。」
温かなスタッフとともに伝統を守りながら進化を続け、歴史を紡いできた『篠原商店』。この先、見据える未来とは。
■社長 篠原昭博さん
「『うまいもの篠原』という名前を掲げて商売をやっておりますので、その名前に恥じないようにお客さまにおいしいと言っていただける商品づくりをしていく。それをずっと引き継いでいきたい、これがお店の伝統だと思っています。」
■女将 篠原麻恵さん
「古町大好き。古町に来て楽しかった・おもしろかった・また行きたいと思えるような、足を運んでもらえるような地域にしていけたら。その一軒として篠原で精いっぱい頑張っていきたいと思います。」