2026.08.05【特集|新潟市の大雨】新店舗の被害も「排水しにくい地形的特徴」市街地の浸水被害どう防ぐ【新潟】
28年前の1998年8月にも1時間で最大97mmの猛烈な雨を観測
7月26日の大雨では、新潟市の中心部でも道路の冠水や建物の床上浸水が複数発生しました。中にはオープン直前に水につかった店もあります。突然襲う大雨から街をどう守るか。新潟市が進める排水強化策を取材しました。
■木村陽介記者
「新潟市中央区の柳都大橋のたもとですが、水がかなりたまっていて車がぎりぎり通れるかどうかという状況です。」
日曜日の新潟を襲った激しい雨。新潟市中央区では、午後2時からの3時間で70mmを超える雨量を観測しました。
新潟駅に近い明石通で撮影された動画。車が波を立てながら走っています。
■撮影者
「午後1時に初めて外を見たときはやばそうだな、冠水が始まっているなという感じだったが、その30分後に見たときには車が半分埋まっている状況だった。」
あっというまに道路が冠水し、ビルの入り口にも雨水が入ってきたといいます。
■撮影者
「車も走るのでビルの前が波みたいになって、さらに(雨水が)入ってきた。」
新潟市の中心部では、28年前の1998年8月にも1時間で最大97mmの猛烈な雨を観測。鳥屋野・万代・下所島排水区では299件が床上浸水・1659件が床下浸水したほか、このときも明石通で冠水被害が発生しました。
■撮影者
「何年かに一回集中豪雨みたいなのがあると若干(雨水が)たまりやすいと感じる。人が集まるところの水はけが悪いのは危ないと思う。」
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一夜明け、新潟駅前の飲食店などが並ぶエリアには大雨の爪痕が残っていました。浸水の6日後にオープンを予定していた飲食店『オリエンタルスパイス』。建物が床上浸水しました。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「来たときにはもうお店のフロア32cm水が上がっていて。もう最悪。ガス台もオーブンも浸水です。」
水が引いた夕方からかき出し作業に追われ、翌日も続いていました。停電のため思うように作業が進みません。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「ビルごと停電状態でつけられないので。もちろん材料とかも全部腐ってしまうので、全部廃棄になってしまう。」
すでに団体予約も入っていましたが、オープンのめどが立たず断らざるをえませんでした。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「8月1日の予定だったが、今のところオープンできるとは言えない状態。」
被害から5日後。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「やっぱり電気はつかなかったから、本当にもう暑くてなかなか掃除も進まなかったけど、ようやくちょっとクーラーもきくようになった。」
オープニングスタッフとして働く予定だったアルバイトの2人も加わり清掃作業を進めていました。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「新潟市の方から消毒剤とかももらってきたので、それをまいて全部きれいに拭き上げようかなと思ってアルバイトさんに手伝ってもらっている。」
■アルバイト
「一刻も早く将太さん(オーナー)のために店を再開させたい。」
片づけを進める一方で・・・。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「廃棄です。浸水しちゃったので相当な量の皿。半分ぐらいはもう廃棄になってしまうのでは。」
用意した備品の一部は雨水につかったため、衛生面を考えて廃棄に。さらに・・・。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「(厨房機器は)ほぼ全滅です。高いところにある器具以外は全滅した。」
フライヤーの油も流れ出るなど厨房(ちゅうぼう)の被害は甚大です。
■オーナーの友人
「油汚れも結構あったので、でも調理するところなのできれいにしないと。もともと元気な人だが、災害後 最初に顔を見たときは今まで見たことない顔をしていたので、ちょっと心配だと思ったが元気そうだったのでよかった。」
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「ある程度拭いて、厨房の方は業者さんにもお願いしてという感じ。すぐ連絡はしたが多分うちだけじゃなく、いろんなところで忙しいと思うので。」
厨房のクリーニングや機器の入れ替えが済まなければ営業は不可能。もともと8月1日にオープンを予定していましたが、営業開始のめどはたっていません。
■オリエンタルスパイス 本間将太オーナー
「当日はこの先どうしていいか分からなかったが、アルバイトさんも友人も手伝ってくれているので、少しずつオープンに向けて復活していけたら。」
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中心市街地の浸水被害について、中原新潟市長は。
■新潟市 中原八一市長
「集中的な豪雨に新潟市の排水能力が追いつかないことが原因。」
その排水能力を高めようと、新潟市は2020年から浸水対策工事を進めています。
■新潟市下水道計画課 佐藤公康課長
「下水道施設の雨水管、雨水を流すための管を埋設している工事になります。」
『雨水(うすい)バイパス管』は、大量の雨が降ったときに下水道管の許容量を超えてあふれだした水をポンプ場に流す管。八千代橋付近から新潟駅南口近くまで、約2.5kmにわたって建設する大規模な事業です。
■新潟市下水道計画課 佐藤公康課長
「新潟市自体が市域の約3割が海抜ゼロメートル地帯で、排水しにくい地形的特徴がある。処理能力を上回る集中豪雨が降ると、どうしても地表面に雨水が出てきて広範囲な冠水が起きてしまう。」
現状の設備では1時間あたり33mmの雨量まで排水できますが、市は今後50mmまで対応できるよう計画を進めています。一部の雨水バイパス管の工事は2028年度までの完成を目指していて、その後暫定的に雨水をためる貯留管として活用する予定です。
さらに、雨水バイパス管を通ってきた雨水を信濃川に排水するポンプ場の整備も計画しています。
■白井希咲記者
「現在更地になっているこちらにポンプ場が建設される予定です。大雨などが降った際にポンプ場に集められた雨水が信濃川へと排水されます。」
すべての工事の完了時期は未定ですが、いつ発生するか分からない大雨災害に向け早期完成を目指すとしています。
■新潟市下水道計画課 佐藤公康課長
「50mm以上の雨が降れば浸水はゼロにはならないと思うが、浸水軽減効果は間違いなく期待できると考えているので、しっかり計画的に進めて早期完成を目指していきたい。」