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2026.09.10【特集】積み木にクレヨンなど「和菓子の新たなカタチ」11代目の挑戦【この町で~愛される老舗~|新潟】

【特集】積み木にクレヨンなど「和菓子の新たなカタチ」11代目の挑戦【この町で~愛される老舗~|新潟】
長岡市で200年以上続く和菓子店『越乃雪本舗大和屋』
長岡市で200年以上続く和菓子店。伝統を守りながら〝和菓子の新たなカタチ〟を生み出す11代目の思いを取材しました。

積み木にクレヨン、おはじきまで。どれも本物のように見えますが・・・じつはこれ、食べられる和菓子なんです。長岡駅から歩いて15分ほどのところにある『越乃雪本舗大和屋(こしのゆきほんぽ やまとや)』。11代目の社長・岸佳也さんです。

■柏百花記者
「看板にもある『越乃雪』は、どういう意味なんでしょうか?」

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「『越乃雪』はうちの代表銘菓で、日本三大銘菓のひとつにも数えられているお菓子でございます。宝というか、うちそのもの。」

『越乃雪』が作られる様子を店舗に併設されたカフェで見ることができます。越乃雪は長岡産のもち米で作る粉と、独自に調整された徳島県産の和三盆糖を使った干菓子です。型に材料を詰め、力加減を調節しながら形を整えていきます。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「押しすぎると固くなりすぎるので、押して固めるというよりは長岡の空気中の湿水分で形になる。そういうのがあるから銘菓と言われていると思う。」

丁寧に切り分けたら、仕上げに砕いた氷砂糖をかけます。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「光の当たる角度によって反射が色々になるので、越後の降ったばかりの雪のようなキラキラ感が出る。」

3日ほど寝かせたら『越乃雪』の完成です。

■柏百花記者
「口に入れた瞬間にほろっとくずれて、すっと雪のように溶けていきます。和三盆糖の上品な甘さが口の中にふわっと広がります。」

■客
「越乃雪を親戚の家に贈る。この干菓子が好きだから、みんなおいしい、大和屋のは。京都のお菓子に負けないです。」

創業は1778年。長岡藩主に越乃雪を献上していたそうです。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「牧野忠精公が疲れが出て病に伏せたときに、手元にあった和三盆糖で菓子をこしらえて献上したところ食べたら元気が出たと。そこからうちの歴史が始まっています。越乃雪を入れて城中にお持ちする際に使っていた箱、現物になります。」

大隈重信や岩倉具視が購入したという記録も残っています。現在、越乃雪を作れるのは岸さんを含めて3人。248年前、創業当時の製法と材料でその味を守り続けています。秋田県出身の岸さんは大学院を卒業後、長岡の酒造会社に就職。会社の茶道部に入りました。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「上司に誘われてやむなく。入ってみたら楽しかったですけどね。」

そこで出会ったのが、越乃雪本舗大和屋の次女・容子さん。結婚を機に店に入り、京都で3年ほど修業しました。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「長岡でも有名な老舗でありますので、その名に恥じないことをしたいと思いました。」

伝統を守りながら新たに生み出したのが、積み木のような見た目の琥珀(こはく)糖『こはくのつみき』です。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「干菓子は、なかなか皆さん食べる機会がないと思うんですよ。そういった方たちにも、とりあえず興味を持ってもらいたい。最初見たときに手に取りたくなるものをと思ってスタートしている。」

商品のアイデアは、雑談の中から生まれるといいます。

■岸社長の妻・容子さん
「私がふわふわしたことを言うと、骨組みをきちんと見つけて形にしてくれる。完全に役割分担はできていますね。」

こちらは、クレヨン型のお干菓子『おいしいおえかき』です。デザインは斬新でも、作り方の基本は伝統の干菓子と同じ。2種類の砂糖を混ぜ合わせ、蜜を加えて練っていきます。そこにパウダーを加えて色や香りをつけます。

■職人
「(Q.いま入れたのは何ですか?)バラの花のパウダーです。」

2回ふるいにかけることで口当たりが滑らかに。そして、クレヨン型の木型に詰めていきます。

■職人
「ここでしっかり押さないと、きれいに型が出ない。」

1日乾燥させると、かわいらしいクレヨン型の干菓子が完成です。色によって味も異なります。緑は抹茶・黄色はゆずなど12種類ほどあり、季節によって替わります。

■柏百花記者
「思わず絵を描きたくなるようなかわいらしい見た目です。いただきます。和三盆糖の甘みのあとに、バラの華やかな香りがふわっと広がります。」

遊び心があふれる商品を生み出す発想の源は、身近なところにありました。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「なるべく身の回りに可愛いものを置いている。」

■岸社長の妻・容子さん
「デスクは可愛いものだらけ。」

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「並べて見る。自分の中で琴線に触れるものが絶対あるはず。いまはシルバニアファミリーが激熱です。」

新しい商品を作るときに、大切にしていることがあります。

■岸社長の妻・容子さん
「もともとは茶席菓子を作ることがメインだったので、あまり離れないように都度 立ち戻ってやりすぎじゃないかと、お互いに確認しながら商品は作っている。」


8月、新潟市のデパートで開かれた文房具の祭典『文具女子博』。様々な雑貨や文房具が並ぶ会場に、越乃雪本舗大和屋の商品がありました。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「おいしいおえかきですね。このクレヨンのお菓子を作っているので、(文具女子博に)声をかけてもらってからのご縁になります。お客さんの熱量が圧倒的に高い良いイベントだと思う。」

■来場者
「琥珀糖だったりすごく遊び心があって、文房具とお菓子をマッチさせていてすごくいいと思いました。」

■来場者
「(伊勢丹の)地下にあるお店で、たまにお菓子を買ったりしていました。大和屋さん自体が好きなので。」

■岸社長の妻・容子さん
「ちょっと敷居が高かったり普段あまり食べる機会がなかったり、ぜひ一回食べて楽しんでもらうとぐっと和菓子の世界に引き込まれるんじゃないかという思いで、色々なところに挑戦しています。」

伝統に新たな発想を加えて、和菓子の魅力を伝えていきます。

■越乃雪本舗大和屋 岸佳也社長
「越乃雪を考えてくれた先祖が偉大すぎる。そこをしっかり押さえたうえで枝葉の部分で何ができるのか、どうしていくかはしっかり創業250年に備えていきたいと思う。」
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