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2025.04.02【特集】深刻な人手不足…介護の現場に“外国人”解消につながるか 県内の受け入れは【新潟】

【特集】深刻な人手不足…介護の現場に“外国人”解消につながるか 県内の受け入れは【新潟】
耳慣れない新潟弁に苦労することも
介護業界で深刻さを増している『人手不足の問題』。その打開策として注目されるのが〝外国人の雇用〟です。県内の採用はどこまで進んでいるのか、介護の現場を取材しました。

ネパール出身のネパリ・サムジャナさん。弥彦村にある特別養護老人ホーム『桜井の里』で働いています。
この日は、ネパールにはない“節分”のレクリエーション。

■職員
「豆の代わりにこれをもって鬼に投げる。」

仕事だけでなく、言葉や文化の面でも初めて経験することが多い毎日です。

■ネパリ・サムジャナさん
「間違えても、とても優しく(他の職員に)教えてもらっているので、今は仕事に慣れてきているので大丈夫だと思う。できないこともあるけど頑張りたいと思っています。」

2023年の春に来日したサムジャナさんは、愛知県名古屋市で1年半 日本語学校に通い、2024年10月から桜井の里に勤務しています。耳慣れない新潟弁に苦労することも。

■ネパリ・サムジャナさん
「水飲む?」
■利用者
「水飲んだらおいしいから、また食べられる。」

■ネパリ・サムジャナさん
「名古屋で勉強したときはとても簡単と思ったけど、同じ話でもここで言うときはちょっと分からなくて時々難しい。」

桜井の里福祉会は、高齢福祉施設など46の事業所を運営。7年前から外国人の採用を始め、現在27人が働いています。

■桜井の里福祉会 高橋学事務局長
「最初の着眼点は、やはり“人材不足”。日本人も人口が減っていく。介護人材の確保も非常に難しいので、どうしても外国人に頼らざるを得ない。」

外国人を雇う際、重要になるのは周りの職員のサポートです。

■桜井の里福祉会 高橋学事務局長
「仕事を覚えるために言葉が必要。そういうところに一番苦労しています。」

サムジャナさんは、施設の近くで同じネパールから来日した3人と共同生活をしています。

■ネパリ・サムジャナさん
「みんないるから、そんなに寂しくない。」
■プラミラさん
「私はいつも寂しい、家族に会いたいです。」

この住まいは、4人を受け入れるため桜井の里福祉会が準備しました。

■桜井の里福祉会 高橋学事務局長
「最初の生活必需品みたいなものも我々が用意したので、ここは他よりも一定程度お金は使ってきたと思う。ハードルを取り除きながら、働きやすい環境をつくることが必要。」

サムジャナさんたち4人は、介護分野の人手不足を解消するため2019年に設けられた在留資格【特定技能1号】を取得して来日。
しかし、この在留資格は“5年以内に国家資格の介護福祉士に合格”しなければならず、期限を過ぎると原則帰国しなければいけません。

■ネパリ・サムジャナさん
「(仕事と勉強)両方するのは大変。時々したくない、でもしなければならない。」


人手不足でも、外国人の採用にハードルを感じる事業所もあります。
2月に開かれた福祉分野に特化した『就職説明会』。県内で6つの事業所を運営する『河渡の郷福祉会』は、数年前から慢性的な人手不足だといいますが、外国人を受け入れる予定はありません。

■河渡の郷福祉会 佐藤和美本部生活部長
「なかなか準備に着手できていないのが正直なところです。生活の面のサポートを思うと、お金がかかるのではというところでなかなか踏み切れないところもあります。」


こちらの施設では、2025年度から外国人の受け入れを始める予定ですが-

■キングス・ガーデン新潟 有田直樹さん
「受け入れ態勢や、どこまで支援が必要なのか。そのあたりの不安や整えていかなければという思いはあります。」


介護労働安定センターの調査によると、県内で人手不足を感じていると答えた事業所は全体の60%を超えています。その一方で、外国人を受け入れている事業所は132と3%あまりに留まっています。

首都圏や県内の介護施設に外国人の雇用を紹介するZenkenによると、県内は他県に比べ受け入れが進んでいないといいます。

■Zenken 内田真平さん
「外国人材が楽しく働いてキャリアアップしていることをSNSなどで発信し、母国の人材に対して循環するシステムみたいなものを早く作らないと、外国人の中でも新潟県というところが広がっていかない。」


外国人が日本で介護の職に就くには、特定の在留資格が必要です。そのうちの1つ『特定技能1号』を持つ在留外国人は、県内に174人います。これは全国で41番目。もっとも多い大阪とは大きな差があります。今後は円安などが影響し、日本で就職を希望する外国人が減る可能性もあるといいます。

■Zenken 内田真平さん
「ベトナム人は、これまではかなり日本に来ていたが、新規入国者はどんどん減っている。介護人材の獲得競争は、世界的な規模で起きていくと考えている。」


ベトナム出身のグエン・タン・グエンさん。
2018年に来日し、介護の職についてから4年が経ちました。現在は、桜井の里福祉会が運営する特別養護老人ホーム『分水の里』で働いています。

■利用者
「(グエンさんは)明るい人ですよ。(Q.日本語は?)そのまんまですよ、うまいよね。」

グエンさんは、同じ施設で働くベトナム出身のズンさんと結婚。2024年秋には第1子が誕生しました。在留資格の『介護』を持っていて、基本的にビザの年数制限などはありません。将来母国へ帰るのか、日本で暮らすのかはまだ決めていないといいます。

■グエン・タン・グエンさん
「みんな自分の家族みたいだから、ここはやめたくない気持ちがあります。」

桜井の里は、費用面などを考え採用する外国人の上限を30人前後と考えています。今後は、勤務する外国人に定着してもらえるかが重要になります。

■桜井の里福祉会 高橋学事務局長
「どちらかというと定着している自負はある。仕事も日本も好きになってもらい、ずっといてほしいと思っている。」
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