2025.04.16【柏崎刈羽原発】県議会で論戦 各会派の主張は「県民投票条例案」審議始まる【新潟】
約240人が傍聴に駆けつける
柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案の審議が始まりました。16日は、各会派による代表質問があり、住民投票をめぐって各会派の賛否が分かれました。
■岡拓哉アナウンサー
「県民投票を実施するのか、しないのかを決める12年ぶりの臨時県議会。多くの人が傍聴席に詰めかけ、立見も解放される異例の対応がとられています。注目の審議がまもなく開会です。」
臨時県議会初日。約240人が傍聴に駆けつけました。
■三条市から
「歴史に残る議会だと思うので、どういう結果になるか見届けたい。」
■柏崎市から
「やはり一番の関心事。きっちりと(賛否を)はっきりさせることで前に進める。」
審議は、花角知事による条例案の提案から始まりました。
■花角英世知事
「東電・柏崎刈羽原発の再稼働に関する新潟県民投票条例制定の直接請求が提出されましたので、意見をつけて付議する。」
再稼働の是非について、賛成または反対の二択で問う条例案。請求した住民団体は訴えました。
■「決める会」世話人 水内基成弁護士
「再稼働への動きが加速する中で、一体いつ新潟県民の声を聞いてもらえるのか。」
花角知事は「二者択一の選択肢では、県民の多様な意見を把握できない」と指摘しています。
■「決める会」世話人 水内基成弁護士
「知事の消極意見は、多様な意見の大きな一角である県民14万3196人。その背後にある署名したかったけどできなかった多くの県民の声を、正面から否定することになりませんか。再稼働にイエスかノーか、正面から県民に問うべきではありませんか。」
そのうえで、県議に呼びかけました。
■「決める会」世話人 水内基成弁護士
「ひとりひとりが信条に従って見極めてください。条例成立という大きな花を咲かせてください。」
再稼働をめぐり、花角知事はこれまで「県民に信を問う」と述べてきました。
■「決める会」 小木曽茂子さん
「花角知事、あなたが言う『県民に信を問う』のが次の県知事選挙ならば、知事選の前に県民投票を行い、その結果に賛成・反対の意見をつけて選挙に臨むことが、真の意味で県民に信を問うことになるのではないか。」
一方、参考人の新潟大学・今本啓介教授は、県民投票について「県民の間で分断を招く可能性がある」などと指摘しました。
続いて行われた、各会派による代表質問。
最大会派の自民党は-
■自民党 中村康司県議
「我が党も県民の多様な意見を把握できないという意見は、全く同感。」
花角知事に同調した上で-
■自民党 中村康司県議
「原発の再稼働問題は、専門知識を擁する極めて複雑なテーマ。投票行動が一部の誤った情報に基づいて、行われる恐れがある。」
さらに-
自民党 中村康司県議
「県民投票の結果が、その後の県議会の議論に大きな影響を及ぼすことは必至。県議会の自由闊達(かったつ)な議論にブレーキがかかり、機能不全に陥ることが危惧される。」
野党系会派の未来にいがたは-
■未来にいがた 樋口秀敏県議
「県民投票は、知事が再稼働の是非を判断するための材料として、県民の意見を聞く有効な方法と考える。二者択一の方式こそが、知事の求めている情報を得るにふさわしい。」
■花角英世知事
「住民投票は否定していない。限界があると、課題があると申し上げている。〇×だけの投票だけでは得られる情報が少ない。」
■未来にいがた 樋口秀敏県議
「(県民投票を)実施しない場合には、県民の意思を確認する手法を示すべきだ。」
■花角英世知事
「様々な手法が考えられるが、現段階で決めているものはない。」
同じく野党系のリベラル新潟は-
■リベラル新潟 小泉勝県議
「知事は県民投票を実施したくない。そのための理由付けに躍起になっている印象を受ける。県民投票をしたいのか、したくないのか。」
■花角英世知事
「私がしたいか、したくないかという問題ではない。(県民の)受け止めをしっかり見極めていきたい、探っていきたい。」
平行線に終わった今日の質疑。17日は、各会派による一般質問が開かれます。