2025.04.09【柏崎刈羽原発|再稼働めぐり】県民投票への知事の「意見」に対し“同調”と“反発”【新潟】
16日開会の臨時県議会に提出され18日に採決
柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる県民投票に対し、様々な意見が飛び交っています。8日、花角知事が公表した「意見」に対し、再稼働を求める経済団体は知事の考えに“同調”する一方、条例案を求めた住民団体は“反発”しています。知事本人は賛否を避けるなど、反応が分かれました。
8日、条例案について「意義を大変重く受け止める」とする一方、「賛成または反対の二者択一の選択肢では、県民の多様な意見を把握できない」とする意見を公表した花角知事。
9日の会見でも-
■花角英世知事
「(再稼働をめぐり)議論を深めていく過程で、県民がどういう受け止めをするのか、原発とどう向き合おうと考えのかを『探る』『見極める』と言っている。二者択一という方法では、限定的な情報しか得られない。多様な意見を吸収するところには“課題”がある。」
ただ、賛否を明確に示さなかったことから、自身の考えを問われましたが-
■花角英世知事
「(Q.知事は慎重な立場?)それは皆さんの解釈。私が書いた意見は、あれ以上でも、あれ以下でもない。(議論するのは)議会の権能なので、私が『こういうことをしてほしい』というのはおこがましいので、申し上げることはない。」
「住民投票制度は否定しない」と述べつつも、「県議会にゆだねる」としました。
条例案を請求した住民団体は、記者会見を開き知事の「意見」に反発しました。
■「決める会」世話人 水内基成弁護士
「知事が政府から求められているのは、再稼働要請に同意するかどうか。原則として再稼働に“賛成”か“反対”かの2択が望ましい。」
知事の態度については-
■「決める会」世話人 水内基成弁護士
「最大会派・自民党の議員が見たときに『知事が否定的な意見だ』と受け止めて、自分の投票行動に影響することがすごく心配。」
対照的だったのは、再稼働を求める経済団体。
東京と地元・新潟の経済団体幹部が柏崎刈羽原発を視察しました。
■東京商工会議所 小林健会頭
「(電力)需要地である我々、特に首都圏の経済界として“早期の再稼働”を期待している。」
記者会見では、県民投票に対する疑問が次々と出ました。
■東京商工会議所 小林健会頭
「県議会で議論してもらうのが一番いいんじゃないか。『AかBか』という択一の議論ではなくて、いろんな意見もあるだろうし、いろんなことも起こりうる。これこそ今はやりの『熟議』。」
■新潟商工会議所 福田勝之会頭
「『〇か×か』なんて、どこかの入学試験ではないんだから。県民を代表している県議会の皆様がそれだけの権限を持っているから、深く議論していただいた結果を県民に伝えてほしい。」
知事の意見が付された条例案は16日開会の臨時県議会に提出され、18日に採決されます。