2025.05.08水道局パワハラ自殺「パパともう一度会いたい」再発防止へ、職員の命日に誓いの植樹【新潟】
残された家族の思い「決してこの事件を風化させないで」
職員の自殺から18年、あらためて再発防止を誓います。新潟市水道局に勤務していた男性が“パワハラ”を訴えて自殺した問題で、水道局は組織風土の改革と再発防止を誓って敷地内にキンモクセイの木を植樹しました。
■新潟市水道局 長井亮一局長
「水道局は職員一丸となって再発防止の徹底に向けた取り組みを継続し、たゆまぬ努力を続けていく決意を後世に伝えてまいります。」
新潟市水道局の中庭に、職員らにより植えられたキンモクセイ。『正風のき』と名づけられました。
2007年、水道局の職員だった男性が上司からのパワハラを示唆する遺書を残して自殺。裁判では市の過失が認定され、約3500万円の支払いが命じられました。植樹は、再発防止のために水道局と遺族の話し合いで行われました。
■男性の妻
「『正風のき』の『正』には、夫の名前・正宗の1文字。正しい組織になるようにという願いが込められています。決してこの事件を風化させないでください。」
5月8日は、18年目の命日。
当時1歳だった男性の長女も出席しました。
■男性の長女
「パパ、私は19歳になりました。来年には成人式で振袖を着ます。パパともう一度会いたいです。パパに抱きしめてほしい。」
■男性の妻
「この植樹を機に再発防止策を徹底して、このようなことが二度と起こってほしくない。」
■新潟市水道局 長井亮一局長
「正宗さんの無念、遺族の悔しい気持ちを改めて胸に刻み、再発防止と風化防止に職員一丸となって徹底的に取り組んでいきたい。」
遺族は、元上司からの直接の謝罪を求めていますが、未だ実現していません。
新潟市水道局は、男性が亡くなった日から1週間を『ハラスメント対策週間』として職員研修を実施しているほか、第三者機関による相談窓口も設けています。